あの時の心に戻りたくて

今までは、仕事以外は堕落した人間だったけど、随分と変わってきたなと思う。

 

まあ、お金に困っていたというのもあるのだけれど、新聞配達を始めて、早起きをして、体を動かすようになったせいか、最近ちょっと元気になってきた感じがする。

 

今までずっとデスクワークで、ほとんど運動もしてこなかった。

 

そのせいなのか、以前は妙に「体を動かしたい」という衝動に駆られることがあったのだけれど、それもすっかり収まった。

 

私にとって新聞配達は、あまり仕事という感じがしない。

 

朝の静かな街をバイクで回って、時々歩いて。

 

散歩をしながらお金までもらえる、なかなか良い副業だと思っている。

 

そして配達が終わったら、6時から7時まで座禅をする。

 

座禅も、最初ははっきり言って苦行そのものだった。

 

苦しくて、苦しくて。

 

「地獄の苦しみ」とはよく言ったもので、本当にそんな感じだった。

 

お陰様で、最近はそこから少し抜けることができた。

 

とはいえ、

 

「座りたくてしょうがない」

 

という境地には、まだ全然達していない。

 

そもそも、私はなぜ座禅をするのだろう。

 

昔、自己啓発セミナーによく通っていた頃、「内観」というものに参加したことがある。

 

一週間泊まり込みで、ご飯とお風呂と寝る時間以外は、出されたお題についてひたすら内観する。

 

今考えると、まるで修行僧のような生活だった。

 

現代の生活から完全に隔離されていたせいなのか、一週間もすると、不思議なくらい心がキラッキラになった。

 

内観を終えて東京へ戻った時。

 

いつもなら騒々しく、人混みでごった返している東京駅のホームが、なぜか輝いて見えた。

 

ただそこにいるだけで幸せだった。

 

しばらくは、そんな状態が続いていた。

 

けれど、元の生活に戻ってしばらくすると、心もいつの間にか元の状態へ戻っていった。

 

もしかしたら私は、

 

「あの時のような心で、毎日を暮らしたい」

 

と思っているのかもしれない。

 

新聞配達をして、朝の空気の中を動いて。

 

それから一時間座禅をして。

 

以前とは、少しずつ生活が変わってきた。

 

最近は、自分の未来が楽しみだ。

 

5年後。

 

10年後。

 

私は、どんな風に変化しているのだろう。